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執筆者の写真大西悠貴

年賀状を知らない世代



日本人に馴染み深い年賀状という文化。 その歴史は平安時代まで遡る。 現存する日本最古の年賀状は、 平安時台の学者である藤原明衡が作った 手紙の文例集「訓往来』の中にある正月の文例。 「春の始めの御悦び、貴方に向かってまず祝い申し候」 (春始御悦向貴方先祝申候訖)とある。 年賀状は新しい年が始まることのお祝いを 特定の人に向けて伝えるツールなのだ。

幼い頃、1月1日にいまかいまかと赤いバイクを待つ。 ポストに投げ込まれたのを部屋の中から見届け、 バイクが去ってまもなくポストに走り、 年賀状の束をそこから引っ張り出す。 そんな経験はないだろうか。 私は毎年、自分の名前をわくわくしながら探していた。 ただのはがきなのに、もらうととても嬉しい。 年賀状には不思議な力がある。 大学生になって一人暮らしを始めてからは そんなこともしなくなってしまった。

SNSの普及により年賀状は廃れていっている。 年賀状を送ろうというCMが頻繁に流れているのは、 その廃りを食い止めようという動きの表れだ。 年賀状は消えゆく運命なのだろうか。 そのうち年賀状を知らない世代が出てくる。 あんなにも安価でもらって嬉しいものを 知らないなんて、もったいないような気がしている。

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