炊きたてほかほか、白くつややかなご飯の上に 黄金に輝く卵を割り落とし、醤油を一まわし。 空腹時、目の前にあればかきこまずにはいられない。卵かけご飯。 僕が卵かけご飯と出会ったのはおそらく幼少期だが、 卵かけご飯を略したTKGと出会ったのはつい最近だ。その衝撃たるや。
TKGを初め、日本人はやたらと言葉を省略したがる。 知らず知らずのうちに 元ある言葉を省略しているケースも多々ある。 なぜ略してしまうのだろう。 言いやすいから? 短くなって発する時のエネルギーを減らせるから? なんとなくかっこいいから? 僕の主観的な考えでは、 「スマートっぽくなる(ネタ要素も含む)」から。 もしくは略語を発し、それを受け取った 相手が同じ認識を共有しているという ある種のコミュニティ感が生まれるからだと思う。 さらに挙げるとすれば、「自分は若いんだ」という アピールにもなりうるからだろう。 おじいちゃんが「TKG食べよう」などと言ってきたら少し怖い。
略語は日本人にとって文化的な立ち位置にまで進化してきた。 しかし、なんでもかんでも略してしまうのはいかがなものだろうか。 例えば車を運転している時、 時速80km/hのことを「80キロ」と言うのは何も違和感がない。 さらにもう一つ。自分の体重が60kgであれば「60キロ」という。 この2つは全く違うものであるのにもかかわらず、 略してしまうことで同じものになっているのだ。 というより、略し方が変なまま浸透してしまっている。 もはや「キロ」の略し方に異議を唱える者もいないだろう。 いまこれを言っている僕ですら特にアクションを起こすこともない。
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